第15回全国物理コンテスト物理チャレンジに参加し、3年生1名、2年生3名が全国大会へ出場しました。本校SSH科学部では、1月から6月までの半年間、今年度のテーマ「水中を落下する物体の終端速度を測ってみよう」について実験方法の考案と実施、データ解析、考察を行い、レポートを作成しました。その結果、全国1,194名のレポートの中から、特に優秀なレポートには『実験優秀賞』に本校の2年生3名のレポートが選出されました。以下は講評の一部を抜粋したものです。
「落下物体にあけた穴に糸を通し,それを記録テープに付け,記録タイマーを用いて,落下の時間と距離を測定することにより求めたv-t グラフより,終端速度を確認している。器具の設置には,記録テープが正確に作動するよう工夫している。可視化は,落下物体に液体糊と墨汁を塗り,ハイスピードカメラを使って,落下物体周辺の渦や気泡の発生の度合いを観測した。また,慣性抵抗係数とレイノルズ数の関係から,終端速度の大きさがレイノルズ数に比例しているという考察はユニークである。優れた実験レポートである。」
「立方体(真鍮,アルミニウム),直方体(アルミニウム),円柱(アルミニウム),それとこれらにアクリルの箱あるいは鉛をつけたものを落下物体とし,これらを系統的に選び,落下途中での回転と揺れを防ぐための工夫をしている。アルミニウムにアクリルをつけて浮力を大きくした場合での終端速度の測定,落下物体として円柱を用い,向きを変えて落下させたことによる終端速度の影響を測定して論じていることにも特徴がある。また,流れを可視化して渦の発生を議論している。不確かさの大きい測定データであるため,測定量の扱いに注意を払って解析している。優れた実験レポートである。」